日本共産党上尾市議団
上尾市議会政治倫理条例(案)
  日本共産党上尾市議会議員団
2019年4月19日

上尾市議会政治倫理条例(案)           2019年 4月19日
                             日本共産党上尾市議会議員団

(目的)
第1条 この条例は、市政が市民の厳粛なる信託によるものであることを認識し、その受託者である市議会議員が市民全体の奉仕者として、人格と倫理の向上に努め、その権限、地位による影響力を不正に行使し、自己または、一部の特定者の利益を図ることの無いよう倫理基準を定め、必要な措置を講じることをもって公正で開かれた民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。

(議会の役割)
第2条 議会は、市民の意見及び要望に真摯に耳を傾け、市政の共同運営者として政策を提案し、条例、予算等を議決し、並びに市政運営が適正に行われているかを点検し、監視する。

(議員の責務)
第3条 議員は、市政にかかわる責務を深く自覚し、疑惑や不信を招く行為をしてはならず、人格、品位、倫理の向上に努める。

(市民の責務)
第4条 市民は、議員に対し、その地位による影響力を不正に行使するような働きかけを行ってはならない。また、主権者として自覚を持ち、自らも市政を担い、共に公共の利益を実現するために積極的に市政運営に参加する。

(政治倫理基準)
第5条  議員は、次に掲げる倫理基準を遵守しなければならない。
1) 市政への不信を招くことの無いよう品位と名誉を損なう一切の行為を慎み、その職務に対して不正の疑惑を持たれる恐れのある行為をしないこと。
2) 常に市民全体の奉仕者として人格と倫理の向上に努め、その地位や権限を利用したいかなる金品も授与はしないこと。
3) 市又は市が出資している法人が行う許可、認可又は請負その他の契約に関して特定の企業、団体等を推薦、紹介する等その地位や権限を利用して、不正にその影響力を行使しないこと。
4) その地位や権限を利用して市及び市が出資、拠出などをしている団体、及び指定管理者の職員に対し、公正な職務執行を妨げ、不正な影響力を行使しない事。
5) 人事(採用、昇任、降任、転任など)の公正を害する行為を行わないこと。
6) セクシャルハラスメント、パワーハラスメント等一切の人権侵害の恐れのある行為を行わないこと。
7) 政治活動に関して企業、団体等から寄付を受けないものとし、その後援団体についても政治的または道義的批判を受ける恐れのある寄付などを受けないこと。
  2、議員は、政治倫理に反する事実があるとの疑惑がもたれた時には、自ら潔い態度をもって疑惑の解消に当たるとともに、その責任を明らかにしなければならない。

(資産等報告書の提出義務等)
第6条 議員は、毎年1月1日現在の資産、地位、肩書、前年1年間の収入、贈与及び税などの納付状況について毎年5月15日から同月31日までに、次条に定める資産等報告書を議長あてに提出しなければならない。

1) 資産公開の対象は、本人とする。ただし疑惑等の問題が生じたときには、政治倫理審査会などから配偶者や、同居人に対しても資産公開の資料請求ができる。
2) 資産等報告書の提出には必要な証明書類を添付しなければならない。
3) 議長は提出された議員の資産等報告書を提出期限から10日以内に市長に送付し、市長は、15日以内に、これを市民の閲覧に供しなければならない。ただし、前項の証明書類は、閲覧の対象としない。

(資産報告書の記載事項)
第7条 資産報告書には、次の各号に掲げる事項を記入しなければならない。
  1)土地  所在、地目、面積、取得の時期及び価額(ただし、固定資産税評価額)
  2)建物  所在、種類、構造、床面積、取得の時期及び価額(ただし、固定資産税評価額)
  3)不動産に関する権利(借地権など) 権利の種類、契約期日及び契約価額
  4)預貯金 一口300万円以上の預金口座の公開
  5)動産  価額が50万円以上の動産の種類、数量、価額、取得の時期(ただし、通常生活に必要な家具、什器、衣類を除く)
  6)信託に関する権利の種類、受託者、信託財産の種類、数量、信託の時期及び価額。
  7)有価証券  公債、社債、株式、出資その他の有価証券の明細、取得期日、取得価額、額面金額及び時価額
  8)ゴルフ会員権  クラブ等の名称、口数及び時価額
  9)貸付金及び借入金  1件につき50万円以上。明細、契約期日及び金額。
  10)保証債務  金銭保証、身元保証等の保証債務の内容及び金額(ただし、金銭保証については、同一人に対し総額50万円未満のものを除く)
  11)貯蓄性保険  貯蓄性の生命保険、損害賠償保険等の種類、保険会社名、契約期日及び保険金額

  2、地位及び肩書
   1)企業その他の団体における役職名及び報酬の有無及び金額(ただし、宗教的、社交的、政治的団体を除く)
   2)公職を退いた後の雇用に関する契約その他の取り決めについての相手方及び条件

  3、収入、贈与及びもてなし
   1)給与、報酬、事業収入、配当金、利子、賃貸料、謝礼金、年金その他これらに類する収入出所及び金額
   2)1出所当たり3万円以上の贈与及びもてなし(交通、宿泊、飲食、娯楽等)の出所、内容及び金額または、価額。

  4、税等の納付状況
   1)所得税及び事業税の前年分、市県民税、固定資産税、国民健康保険税及び軽自動車税の前年度分の納付状況
  
(市の請負に関する遵守事項)
第8条 議員がその任期において役員をし、実質的に経営に携わっている企業、及び団体並びに議員の配偶者、一親等以内の親族が役員をしている企業は、市の発注する工事の請負契約、下請け工事、随意契約、業務委託契約及び一般物品納入契約を辞退し、市民に疑惑の念を生じさせないように努めなければならない。
  2、前項に規定する「実質的に経営に携わる企業」とは次に掲げるものをいう。
   1)議員が資本金その他これに準ずるものの3分の1以上を出資している企業 
   2)議員が年額300万円以上の報酬(顧問料等その名目を問わない)を受けたり、物品その他を受領や貸与している企業)
   3)議員がその経営方針に関与している企業
  3、前2項に該当する議員は、市民に疑惑の念を生じさせないために、責任をもって関係者又は関係企業の辞退届を提出しなければならない。
  4、前項の辞退届は、議員の任期開始の日から30日以内に、議長に提出するものとする。
  5、前項の辞退届を議長は、その写しを市長に送付しなければならない。
  6、市長は、辞退届の提出状況を広報誌等で速やかに公表しなければならない。

(政治倫理審査会の設置)
第9条 資産等報告書の審査その他の処理を行うため、地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき上尾市政治倫理審査会(以下「審査会」という)を置く。
2、審査会の委員は5名とし、資産等報告書等の審査に関して専門的知識を有する者及び弁護士など法令に関し専門的知識を有する者、識見を有する市民の中から、議長が委嘱する。
  3、委員の任期は3年とする。ただし、補欠の任期は、前任者の残任期間とする。
  4、委員は再任されることが出来る。
  5、審査会の会議は、公開とする。ただし、出席委員の3分の2以上の同意で非公開にすることができる。
  6、委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を辞した後も同様とする。
   

(審査会の職務)
第10条 審査会は次に掲げる職務を行う。
1) 資産等報告書の審査結果を市長に報告すること。
2) 第13条の2に規定する必要な調査、回答及び勧告をすること。
3) 審査会が必要と認めるときは、市長及び議員は、審査に必要な資料を提出し、又は会議にでて意見を述べなければならない。
4) 審査会は、審査の対象となった市長及び議員から釈明したい旨の申し出を受けた時は、その機会を保障しなければならない。
 2、審査会は、前項の職務を行うため、関係人から事情聴取及び資料提供など必要な調査を行うことが出来る。

(資産報告書の審査)
第11条 議長は、第6条の規定により提出された議員などの資産等報告書の写しを市長に送付し、市長は、市長などの資産等報告書の写しとともに、これを毎年6月15日までに審査会に提出し、審査を受けなければならない。
 2、審査会は、前項の規定により審査を求められたときは、審査を求められた日から90日以内に意見書を作成し、市長に提出しなければならない。

(資産等報告書及び意見書の閲覧)
第12条 市長は、前条第2項の規定により提出された意見書を提出された日から15日以内に市民の閲覧に供するとともに、その要旨を広報誌等に速やかに掲載しなければならない。
 2、議員に係わる意見書については、市長は、その写しを議長に送付しなければならない。
 3、資産等報告書及び意見書の閲覧期間は、閲覧開始の日から5年間とする。
 4、市民は、閲覧により知り得たことをこの条例の目的に沿うように適正に活用しなければならない。

(市民の調査請求権等)
第13条 市民は、次の各号に掲げる事由があるときは、これを証する資料を添えて、市長にかかわるものについては市長に、議員にかかわるものについては議長に調査を請求することが出来る。
1) 議員に政治倫理基準に違反する行為の疑いがあるとき
2) 資産報告書の内容に疑いがあるとき
3) 市の公共工事等に関する遵守事項に背反する疑いがある時
4) その他政治倫理条例に違反する疑いがあるとき
 2、前項の規定により調査の請求がなされたときは、議長は、議員に係わる調査請求書及び添付資料の写しを市長に送付し、市長は、市長又は議員に係る調査請求書及び添付資料の写しを審査会に直ちに提出し、調査を求めなければならない。
 3、審査会は、前項の規定により調査を求められたときは、請求を受けた日から90日以内に、その調査結果を市長に文書で回答しなければならない。
 4、議員に係る回答については、市長は、その写しを議長に送付しなければならない。
 5、市長及び議長は、第3項の規定による回答があった日から7日以内に、その写しを請求者に送付しなければならない。

(審査結果と公開)
第14条 審査会は、前項の規定により審査を求められた日から90日以内に審査結果の文書を作成し、市長に提出しなければならない。
 2、市長は前項で提出された審査結果の文書を提出された日から15日以内に市民の閲覧に供するとともに、その主旨を広報誌等に速やかに掲載し公表しなければならない。
 3、議員に係る審査結果の文書は、市長はその写しを議長に送付しなければならない。
 4、審査結果の文書の閲覧期間は、閲覧開始から5年間とする。

(議会の措置)
第15条 議会は、第14条の規定による報告または、勧告を尊重すると共に、被審査議員が政治倫理基準に違反したと認められるときは、市民の信頼を回復するために必要な措置を講ずるものとする。

(市民の問責権、説明会の開催)
第16条 容疑を受けた議員に住民が直接に政治責任の説明を求めることが出来る。
 2、住民の説明会開催請求には、有権者50人以上の連署が必要。
 3、説明会の開催の是非については市長があらかじめ審査会に諮問し、意見を求める。
 4、以下の4つの段階で開催する。
  1)逮捕後
  2)起訴後
  3)一審有罪判決後
  4)有罪確定後

 

 (解説 資産公開制度が政治腐敗の一般予防の制度であることに対し、問責制度は、起きてしまった不祥事に事後的・個別的に対処する制度。
 目的は、収賄で有罪が確定した議員の居座りをきっかけに制定され(堺市の事例)、容疑を受けた議員に説明会を開かせ、住民が直接その政治責任を追及する機会を保障するため。
㈰ 逮捕後、㈪起訴後、㈫一審有罪判決後、㈬有罪確定後の4段に応じて措置を定めている。)


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